テトラを見たら、釣りたくなる。それが釣り人というものです。
先日、真鯛を狙いに沖へ出た帰り道のことでした。車を走らせていると、漁港のそばにテトラがびっしり積まれたエリアが目に入りました。「あそこ、穴釣りできそうだな」——そう思ったら、もう足が止まっていました。
まだ日が落ちるまで少し時間がある。竿も仕掛けもある。オキアミも残っている。行かない理由がありません。急きょ車を止めて、テトラへと向かいました。
① 帰り道のテトラに足が止まった
釣り人なら共感してもらえると思いますが、「帰る途中にいい場所を見つけてしまった」という体験は、何度あっても心が躍ります。計画していた釣りを終えた満足感の中に、もうひと遊びできるかもしれないというワクワクが混ざってくる。あの感覚はたまりません。
この日もまさにそれでした。真鯛釣りはそれなりに楽しんだあと、帰路に就こうとしたところで、漁港周りのテトラ帯が目に入ったのです。テトラと岩の隙間が点々と続いていて、いかにも根魚が潜んでいそうな雰囲気。「暗くなるまでの1時間だけ」と決めて、準備を始めました。
こういう「ちょっとした寄り道釣り」が、実は記憶に残る一日になったりするんですよね。
② 穴釣りが「やめられない」本当の理由
穴釣りをやったことがある方なら分かると思いますが、この釣りには独特の中毒性があります。派手さはありません。遠投も要らない、コマセも要らない、難しいテクニックも要らない。ただ竿を穴に差し込んで、エサを落とすだけ。
それなのに——ズドン、と来る。
あの引きの強さが、穴釣りの醍醐味です。カサゴもクロソイも、小さな体のわりに根に向かう力が強い。水面まで引き上げるまでのやり取りが、なんともいえない手応えを生みます。そして穴から顔を出した瞬間の、あの満足感。「いた!」という喜びが毎回フレッシュに感じられるのが、穴釣りの魅力だとゴンちゃんは思っています。
また、穴釣りは「場所の読み」がダイレクトに結果に出る釣りでもあります。どの穴が深いか、どの隙間に魚が潜んでいるか——それを足で探って当てた瞬間の快感は、ほかの釣りとはまた違うものがあります。
③ 道具が揃っていなくても釣れる!手作り仕掛けの底力
この日は急きょの穴釣りだったので、穴釣り専用の仕掛けは持っていませんでした。そこで同つき仕掛けをその場で手作りすることにしました。
同つき仕掛けというのは、オモリの先に直接ハリスと針を結んだシンプルな構成です。穴釣りに特化した市販仕掛けほど洗練されてはいませんが、根魚を狙うには十分な実力があります。針はちぬばり4号、エサはオキアミ。これだけあれば戦えます。
竿は手持ちの短竿、リールは2000番のスピニング。穴釣り専用竿ではないものの、短くて取り回しやすいという点では問題なし。むしろ短竿のほうがテトラの隙間に差し込みやすい場面もあります。
道具が完璧でなくても、魚は釣れます。大切なのは「いる場所を見つけること」と「自然にエサを見せること」。仕掛けのシンプルさより、エサをどう落とすかのほうがずっと大事だと、この日ゴンちゃんは改めて実感しました。
この日のタックルデータ
- 竿:短竿(手持ち)
- リール:スピニング 2000番
- 仕掛け:同つき仕掛け(手作り)
- 針:ちぬばり 4号
- エサ:オキアミ
④ テトラ穴釣りのコツと絶対外せない安全対策
穴釣りは手軽で楽しい釣りですが、テトラの上での釣行には注意が必要です。ゴンちゃんが毎回意識していることをまとめます。
釣りのコツ
- 穴は「深さ」を確認してから落とす。浅い穴は素通りされやすい
- エサをゆっくり落とし、底から10〜20cm上で待つ
- アタリがなければ隣の穴へ。同じ穴に固執しない
- 穴の向きを変えて探る。魚は影になった側に潜んでいることが多い
- 根がかりしたら無理に引っ張らず、角度を変えてそっと外す
安全対策
テトラは表面が濡れていると非常に滑ります。特に夕方は気温が下がり、岩面に水分が残りやすい。私は必ずフローティングベスト(救命胴衣)を着用し、靴は磯靴またはスパイクソールのものを使っています。
万が一落水したとき、フローティングベストがあるかないかで生死が分かれることがあります。「自分は大丈夫」と思わずに、必ず着用してください。おしゃれよりも安全を優先する——それが長く釣りを楽しむコツです。
⑤ その日の釣果と私が実践したこと
結果から先に言うと、暗くなるまでの約1時間で6匹を釣ることができました。
- カサゴ:3匹
- クロソイ:2匹
- メバル:1匹
サイズも良かった。24センチを筆頭に、22センチクラスが3匹、20センチクラスが1匹。テトラ周りの根魚としては文句なしのサイズです。全匹リリースしましたが、手のひらに乗せた感触がずしっとしていて、気持ちよかったですね。
この日特に意識したのは「穴を丁寧に選ぶこと」です。テトラとテトラの重なり方が複雑な場所を選び、影になっている奥深い穴を優先して狙いました。また、エサのオキアミは尾を落として一回り小さくし、針先がしっかり出るようにつけました。根魚は吸い込みが強いので針先が出ていれば掛かりやすい。この小さな工夫が釣果の差につながります。
穴釣りの面白さを体で覚えると、テトラを見るたびに竿を出したくなります。どの穴に魚がいるかを読む感覚が経験とともに研ぎ澄まれていく——それが穴釣りの醍醐味だとゴンちゃんは思っています。
⑥ ゴンちゃんのまとめ
「ちょっとだけ」が最高の釣りになることがある——今回はまさにそんな一日でした。
真鯛釣りの帰り道に見つけたテトラ。仕掛けは手作り。道具は最低限。それでも24センチを筆頭に6匹の根魚が応えてくれました。穴釣りの魅力は、準備に時間をかけなくてもすぐ始められる手軽さと、それでいてしっかり釣れる確かな面白さにあります。
ただ、テトラは危険と隣り合わせです。フローティングベストと滑り止めの靴は必ず用意してください。安全があってこそ、釣りは楽しい。
次にテトラを見かけたら、ぜひ竿を出してみてください。きっとズドンと来ますよ。


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